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Harmony 心をつなぐ歌

去年の暮れ、1月21日から日本で公開になるという映画、『ハーモニー 心をつなぐ歌』のサンプルDVDを、この映画の配給マーケテイング部にいる友人から是非見て欲しいと連絡をいただいた。

ニューヨークに戻ってきても、なかなか落ち着いて見る機会がなかったけれど、やっと一昨日、自分のPCコンピューターで見ることができた。

舞台は本当に実在するチョンジュ女子刑務所。ここで出産した受刑者は子どもが18ヵ月になるまで育てられる。この刑務所は、20歳から80歳まで約600人を収容する韓国で唯一の女子刑務所。その刑務所の中で、子供を産むある女性。その女性のアイデアにより合唱団が結成される。様々な罪をおかしてきた女性たちが、この合唱団により生きる目的を知る、そしてこの生まれた子供の成長を通して、彼らがどんどん変わっていく。 合唱 メンバーは週1度、3~4時間練習し、年1回外で公演を行っているという、 実際にあったストーリーの映画化。


PCにDVDをいれて見る映画は、ある意味すっごく便利。だって映画館で見るわけじゃないから、つまらないと思った瞬間、すぐに見るのをやめることができる。だから、片手間に他のことをしながら画面に向かった。

始めのうちは、韓国映画特有の、比較的ゆっくりなテンポで展開されていく中で、子役の演技力にぐんぐんと魅かれていく。大人の役者さんも、そして気がつくと、どんどん自分が映画にのめり込んでいく感じ。

これってコメデイー?と思うほど、タッチは明るい。でもそのストーリーの深さ、母が子を思う気持ち、音楽が人の心を開いていくという過程に、涙がとまらない。同時に、なんとなくミステリオのサンターズのことを思い出した。

エンデイングには、もう涙でぐちゃぐちゃ。PCのスクリーンに移りだされた映像が、涙で見えなくなるほどだった。
音楽がまた感動的なんだなあ。最後に思ったこと、韓国語、話せるようになりたいなあっと。

ほんとよかった、映画館じゃなくて。泣くだけなけたから。

この映画を見た後、わかった偶然の話し。私の大好きな秦 万里子さんも、この映画の試写会を御覧になったのだという。そして、彼女のコメントも映画のパンフレットに載っているらしい。

そうそう、秦 万里子さんは去年のミステリオクリスマスパーテイーに、急にスケジュールがあいたからと、サプライズで突然いらしてくださったっけ。2曲も即興のお歌を披露してくださった上、ミステリオのオリジナルソングをみんなで唄うことができて最高だったなあ。

今日は、その貴重な彼女のコメントを全部公開! 万里子さんの感想を読めば、みんなきっとこの映画、見なきゃって思うはずだから。

ただいま映画、公開中。

『この映画にとって音楽とはなんなのでしょう。

人にはそれぞれ悩み、苦しみなどがあり、それを抱えて生きています。それは表面だけではわからないのだと、特に最近思っています。人間の数だけ感情があり、母親の数だけ想いがある。親にならないとわからない気持ち、子供であるから言えない気持ち、わかってほしい、わかるわけない、わかっていてもくやしい、わからないでいてほしい、まるで気持ちの嵐です。この交錯があって、それを乗り越えて行くのが生きて行くということ、愛しているからこそおこる葛藤や過ちを乗り越えていくのが生きて行くということ、それゆえの行動を見ただけで、あ~だこ~だ言う事などできないと最近よく思うのです。

この女子刑務所での服役者たちにもそれぞれのストーリーがあり、それは我々も同じです。私も北海道から九州までコーラス隊メンバーを現地で募り、三回現地におもむき練習、最後は現地での私のコンサートで歌って頂き、本番終了後解散という儚い命のコーラス隊を作って活動をしています。のべ参加人数は1300人を越えています。

バックグラウンドをお互い認め合いながら、感じながら、が、それとは関係なく一つのものを作り上げて行くのは容易な事ではありません。でもそこに、何かが生まれて行くのを私は何回も見てきました。それは音楽という目に見えない不確かなものが紡ぐ糸が、少しずつ編まれて形になっていくかのようです。

音楽にはそういう「心をつなぐ何か」があるのでしょうね。人様の事は簡単にわからないのが当たり前、その分からない者同士が隣り合い、音楽に向かう事で、なにかが生まれる、そしてそれを紡いで行く、仲間を作って行く、、、そこが音楽の不思議なところです。

愛すればこその切なさと気持ちの嵐と音楽の不思議が詰まった映画をみなさまにも是非みていただきたい!

秦 万里子(半径5メートルの日常を歌う音楽家)』